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牛首紬のできるまで

八百年を超える手技の伝承――
玉繭・手挽き糸の「牛首紬」は、こうして生まれます。

現代では入手が難しい玉繭は、手挽きを始めとする20にも及ぶ複雑な工程を丹念に積み重ねることで高品質な「牛首紬」に。その驚きの軽さと強さは、てまひまを惜しまない磨き抜かれた職人技の賜物です。

自然と心と技が一体となった「角印・牛首紬」の工程

牛首紬にとって最も重要な工程、それは玉繭から糸を挽き出す玉糸づくりです。
玉糸を挽き出す「のべ引き」作業は、玉繭から出る2本の糸が複雑に絡み合っているため、糸づくりが難しく、あくまでも職人の経験とカンにたよらねばなりません。
そして、一貫生産の強みを遺憾なく発揮して、撚糸、精練などの続く工程を糸にとって理想的な状態であることを最優先して進めます。

この難しい「経験とカン」の作業によって挽き出された玉糸と「糸にとって理想的な状態」で進める工程は、着やすさや通気性の良さ、そしてシワになりにくいなど牛首紬の優れた風合いの根本を担っています。

この「経験とカン」はその他のすべての作業をも支配しています。効率に背を向け、あくまでも品質の向上を目指す徹底した姿勢。気の遠くなるような試行錯誤によって蓄積された膨大なノウハウこそ、牛首紬の資産です。

繭選り(まゆより)

仕入れた繭の中から製糸できない繭を取り除く作業です。

製糸/のべひき

牛首紬にとって最も重要な工程です。
玉繭から玉糸を挽き出す「のべひき」作業は、玉繭から出る2本の糸が複雑に絡み合っているため、糸づくりが難しく、あくまでも職人の経験とカンにたよらねばなりません。
この「経験とカン」によって挽き出された玉糸は、弾力性・伸張性に優れ、牛首紬の風合いの根本となっています。

撚糸(ねんし)

糸に撚りをかける作業です。
 牛首紬では、のべひきにより挽き出した糸は一度も乾燥させることがないまま撚りをかけます。乾燥する前に撚糸まですることはより良い糸づくりにとって理想です。これも牛首紬の一貫生産の強みでもあります。

精練(せいれん)

糸についている汚れや不要物を取り除く作業です。
この作業を経て絹本来のもつ白く輝く糸になります。白山工房では独自の精練方法をとっています。

糸はたき

牛首紬独自の工程です。
精錬が終わった糸を強くしゃくり、蚕の糸質であるパーマネント状のうねりを取り戻し、空気を多く含んだ生きた糸を作り上げます。

糸染め

白山工房では元々は植物染料による草木染めを中心に染色されてきました。しかし、堅牢度の悪さが常に問題となり、近年では「藍染」「くろゆり染め」などのごく一部の特殊な染めを除き、退色を防ぐために化学染料も使用しています。

整経(せいけい)

牛首紬の経糸(たていと)は約1,100本~1,200本使用しています。この作業により必要な本数と長さを準備します。

製織/はたおり

引き杼(ひきび)を使用して織り上げます。
経糸を上下に開口し緯糸(よこいと)の入った杼(ひ)を左右に飛ばし筬(おさ)によって打ち込んでいく作業の繰り返しです。
一瞬のリズムがびったりあって始めて良い牛首紬が織上がります。

「玉糸機(たまいとばた)」と熟練の手技で、
日本の織物の原点を大切に。

弊社では、ヨーロッパ向け洋装生地開発のノウハウを活かし、従来の高機の特長を効率的に受け継いだ独自の力織機=「玉糸機(たまいとばた)」の導入を順次すすめていきます。

手機は織り手による打ち込み強さのばらつきや、打ち込みタイミングのずれが生じやすく、品質の安定を保つ上で常に悩みの種でした。このため牛首紬では、引き杼を使用した手機に近い構造でなおかつ打ち込みが安定する「玉糸機」を考案し導入。職人がそれぞれ一台を受け持ち、丁寧に織り上げます。それでも緯糸は繊度むらが多く、これらの糸を取り除く熟練の目と手技が牛首紬の品質を決定します。

検査

完成した牛首紬の品質検査は、自主検査、石川県牛首紬生産振興協同組合による組合検査、金沢織物検査場による外部検査の3段階で行われています。
検査に合格した製品には組合の「検査合格之証」、「品質保証書」が添付されます。

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