角印・牛首紬オフィシャルホームページ > 自然・心・技 > 玉繭・手挽き糸(玉糸)―独自の糸づくり

玉繭・手挽き糸(玉糸)―独自の糸づくり

世界でも稀な、「玉繭・手挽き糸(玉糸)」の至芸が息づく――
まぼろしの「牛首紬」は、糸づくりが命です。

二頭の蚕が共同で一個の繭を作り上げたものを「玉繭」と呼びます。牛首紬はこの「玉繭」から生まれます。そして「玉繭」を煮込み、手作業で糸を紡ぎ出す「のべびき」という糸取りの伝統技法。この、世界でも類を見ない糸づくりの技が牛首紬の命なのです。

玉繭

くず繭の中で、2匹の蚕が共同で一個の繭にしたものを「玉繭」と言います。
この玉繭は、普通の養蚕をしていると2~3%の割合で必ず出るものですが、繭から2本の糸が出るため、糸をつくるときに必ず絡まってしまいきれいな糸が作れません。そのため通常はくず繭の扱いをされてしまいます。

牛首紬は伝統の技法でこの玉繭から糸を引き、絡み合った部分が牛首紬独特のネップとなっています。

手挽き糸(玉糸)

牛首紬にとって最も重要な工程、それは玉繭から糸を挽き出す玉糸づくりです。
玉糸を挽き出す「のべ引き」作業は、玉繭から出る2本の糸が複雑に絡み合っているため、糸づくりが難しく、あくまでも職人の経験とカンにたよらねばなりません。

しかしながら、この難しい作業によって挽き出された玉糸は、弾力性・伸張性に優れ、牛首紬の全ての風合いの根本となっています。

その後の撚糸、精練、糸はたきなどの作業は「糸にとって理想的な状態」であることに重点をおいて進めます。これらの糸づくり作業が、身体に馴染む着やすさ、通気性の良さ、そしてシワになりにくいなど牛首紬の優れた風合いの根本を担っています。

このページの先頭へ